【B2B営業 of 自動化】Dify × Bright Data SERP APIで商談数を増やす、精度の高い営業リストとパーソナライズ提案を全自動生成する方法
LLMアプリ開発プラットフォーム「Dify」と,Bright DataのSERP APIを連携させ、ターゲットキーワードから「今アプローチすべき企業」を自動抽出し、営業メールを自動生成するワークフローを構築します。
Note
本記事はBright Dataとのパートナーシップに基づき作成しています。記事内のリンクにはアフィリエイトリンクが含まれます。
「1日3時間かけてリストを作ったのに、返信率は1%以下」——B2Bの新規開拓を担う営業担当者なら、一度はこの徒労感を経験しているはずです。
問題の本質は、労力ではなく「アプローチの質」にあります。相手企業を深く理解せず画一的なメールを送ることが、ブランドへの悪印象と機会損失を生んでいます。
今回は、LLMアプリ開発プラットフォーム「Dify」と、世界最大級 of データ収集基盤「Bright Data」のSERP APIを連携させ、ターゲットキーワードから「今アプローチすべき企業」を自動抽出し、その企業固有の課題に踏み込んだ営業メールまでを即座に生成するワークフローを構築しました。
作成したテンプレートはDify Marketplaceにて公開しています。
※記事の最後のほうにリンクを記載しています。
1. 企業における「ターゲット抽出」の課題と本ツールの導入メリット
HubSpotの調査では、営業担当者が実際の「商談・提案」に使える時間は業務全体のわずか34%に過ぎないとされています。残りの66%は、リスト作成・調査・メール作成といった「準備作業」に消えています。
企業のインサイドセールス部門では、現在以下のような課題が顕在化しています。
- 既存リストの陳腐化と競合とのバッティング: 業者から購入したリストは鮮度が低く、他社と同じ企業に同じようなテンプレメールを送るため、返信率が著しく低下する。業界平均のコールドメール返信率は1〜5%とも言われており、画一的なアプローチの限界は明らかです。
- リサーチ工数の肥大化: ターゲット企業の事業内容を1件ずつ調べ、「なぜ自社の商材必要か」を考える作業は、担当者1人あたり1社あたり15〜30分の時間を奪う。10社リストアップするだけで半日が消える計算です。
- ブランドの毀損: 相手のビジネスモデルを理解していない的外れな一斉送信メールは、企業ブランドへのネガティブな印象に直結する。一度「スパム企業」と認識されると、その後のアプローチは永続的に無効になります。
本ワークフローは、これら3つの課題を「SERP(検索エンジン結果ページ)データ」と「LLM」の組み合わせで解決します。
Google検索の上位に表示される企業は、その領域で現在アクティブに活動し、影響力を持っている企業です。Bright DataのAPIでこの最新の検索結果を構造化データとして取得し、LLMに「自社商材の強み」と「相手企業の事業内容」を照らし合わせて分析させることで、「なぜあなたに連絡したのか(Why You)」が明確な、質の高いパーソナライズ提案を工数ゼロでスケールさせることが可能です。
| 従来の方法 | 本ワークフロー |
|---|---|
| リスト作成:1社あたり15〜30分 | キーワード入力後、数十秒で上位10社を自動抽出 |
| 一律テンプレートメール | 企業の事業内容を分析したパーソナライズメールを自動生成 |
| 古い購入リストを使い回し | 実行のたびに最新のGoogle検索結果を取得 |
2. ワークフロー全体の構成と自動化の仕組み
今回Difyで構築したワークフローは、入力から出力までシームレスにデータが流れるように設計しています。
- ユーザー入力: 探したい企業の「検索キーワード」と、自社の「商材名・売り文句」を入力。
- コード実行: Pythonで入力値をURLエンコードし、Bright Data用のパラメータを生成。
- HTTPリクエスト: Bright Data SERP APIを呼び出し、Googleの検索結果(タイトル、スニペット、URL等)をJSONで取得。
- テンプレート: 検索結果と自社の商材情報を組み合わせ、LLM向けのコンテキストを動的に生成。
- LLM: データを分析し、トッププロスペクトのリスト化とパーソナライズされたアウトリーチメールを作成。
最初に行うPythonでのパラメータ生成処理は以下の通りです。
import urllib.parse
def main(keyword: str, language: str) -> dict:
encoded = urllib.parse.quote_plus(keyword)
lang = language.strip().lower() if language.strip() else "en"
# 簡易的な地域パラメータ(gl)のマッピング
gl_map = {"ja": "jp", "en": "us", "fr": "fr", "de": "de", "ko": "kr"}
return {
"encoded_keyword": encoded,
"hl": lang,
"gl": gl_map.get(lang, "us")
}
検索結果の取得件数について
Googleの仕様変更により、現在API等での num=100(100件取得)などの大量取得パラメータは正常に機能しなくなっています。本ワークフローでは、最も営業価値が高く確実な「上位10件」を取得する設計としています。
3. なぜ自前スクレイピングではなくBright Data SERP APIなのか
自社構築で検索結果をスクレイピングしようとすると、必ず「CAPTCHA」や「IPブロック」という壁に直面します。企業の業務プロセスとして自動化を組み込む場合、ここで処理が止まるのは致命的です。
Bright Dataは世界150以上の国・地域に7,200万以上のIPノードを持つエンタープライズグレードのデータ収集基盤で、Fortune 500企業を含む世界20,000社以上が業務利用しています。そのプロキシネットワークを経由することでブロックを完全に回避し、業務レベルで安定したデータパイプラインを構築できます。
Bright Dataの無料トライアル登録&プロモーションコードの適用手順
以下の専用リンクからアカウントを作成すると、APIの検証に使える**$20分の無料クレジット**が付与されます。
👉 Bright Data 新規登録($20クレジット付き)
登録後、ダッシュボードからプロモーションコードを適用する手順
- Bright Data にアクセスし、アカウントを登録・ログイン
- 左側のナビゲーションバーから「請求とお支払い」を開く
- 最初に表示される「概要」タブの中に「プロモコードを適用」欄があるので、そこをクリック
- 入力欄にプロモーションコード
harupythonを入力し、「適用」をクリック - 同じ概要ページ内でクレジットが反映されていることを確認
コードの適用が完了したら、SERP APIのZoneを作成してAPIキーを取得するだけで、すぐにワークフローを実行できます。
取得したクリーンなデータは、Difyのテンプレートノードで自社情報と結合されます。
# User Intent & Context
Search Keyword: {{ keyword }}
Language: {{ hl }}
# Sender Information (Optional)
Company Name: {{ company_name }}
Product/Service Name: {{ product_name }}
Value Proposition & Selling Points: {{ selling_points }}
# Search Results Data
{{ output }}
その後、以下のシステムプロンプトによって、LLMを「優秀なインサイドセールス担当者」として機能させます。
You are an expert B2B Sales Intelligence and Outreach AI.
Always respond entirely in the language specified by the user.
You will receive Google search results data based on the user's target keyword, along with the user's company and product information (if provided).
Your task is to analyze the search results, identify the best potential B2B leads, and write highly personalized cold outreach emails pitching the user's product.
これにより、単なる情報の要約ではなく、「相手の課題仮説」に基づいた提案型のメールが出力されます。
4. 実際の出力例とB2Bでの活用シナリオ
実際に、私が開発している超軽量データベース「NanaSQLite」を売り込む想定で、キーワード サポーターズ (エンジニア採用・イベント支援会社を想定)として実行してみました。

LLMは検索上位の企業サイト情報を読み解き、「大量の学生データを扱うプラットフォームの検索高速化」や「ハッカソン用インフラとしての軽量DBの導入」など、企業の実際の事業内容に深く踏み込んだ提案文を生成しました。テンプレートメールとは一線を画す、「なぜこの企業に連絡したのか」が伝わる内容です。
この自動化ワークフローは、以下のようなシナリオで強力に機能します。
- SaaSベンダーの営業戦略: 特定の業界キーワードで検索し、自社サービスの導入メリットを紐づけた質の高いアプローチリストを量産する。
- ITコンサルティング・受託開発: 「〇〇業界 DX」などで検索上位だが技術的なボトルネックを抱えていそうな企業に対し、ピンポイントな技術提案を行う。
- マーケティングエージェンシー: 広告出稿に積極的な企業を抽出し、自社の運用ノウハウを具体的な改善仮説とともに提示する。
リスト作成という「作業」をAPIとAIに委ねることで、営業担当者は「戦略の立案」と「顧客との対話」という本質的な仕事に集中できます。まずは無料クレジットを使って、自社の商材でどれだけパーソナライズされた提案が生成されるかを試してみてください。